韓国映画『記憶の夜』あらすじとネタバレ
記憶の夜 15歳未満非推奨
監督 チャン・ハンジュン
出演 キム・ムヨル、カン・ハヌル、ナ・ヨンヒ、ムン・ソングン
脚本 チャン・ハンジュン
ジャンル 韓国、サスペンス 犯罪サスペンス 心理サスペンス ミステリー
Netflixのオリジナルとして制作されたこの映画。
Netflixの制作と思うとそんなに大した話だとは思わなかったけれど、最後まで楽しめるドキドキサスペンスでした。
✔ 主人公の視点から物語を追っていくが、違う視点や違う考え方が入ってきて、何が正解で何が本当なのかわからなくなる
✔ 全部の内容が理解できるのは最後の15分なんだけど、そこまでに価値観がガラガラ変わる
✔ 家族の仲良し兄弟が両方ともさわやかイケメン
✔ 主人公を見ていると、自分が見ている世界が変わっていって、自分が何者かわからなくなるという体験がすごく怖いって思える映画
✔ 明るそうに見えて実は闇が深く暗いテーマ
『記憶の夜』ざっくりあらすじ
仲良さそうな家族が新しい家に引っ越すところから話が始まる。
弟が主人公。
閑静な一戸建てなんだけど、一部屋だけ開かずの間で、前所有者が入るなと言っている荷物置き場の部屋がある。
仲良し兄弟の弟は大学受験の浪人生。
お兄ちゃんはできのいい秀才。
優しいお兄ちゃんだったのに、ある日誘拐されて17日後に帰ってきてから、様子がおかしく、何か悪だくみを隠しているような怖さを持っている。
弟が夜中に出かける兄のあとをつけると、うらぶれた雑居ビル街に入っていき、なにやら怪しい男たちと話していた。
それを母に打ち明けると、母も様子がおかしく、父に告げ口しているが父も様子がおかしい。
様子がおかしい=弟以外の家族がみんなグルで、弟の自分がおかしいような雰囲気。
このままでは自分の身に何かをされると怖くなった弟が、警察に駆け込む。
ここから…
初めて警察で自分が41歳のおじさんになっていることを聞かされる弟。
そういえば鏡を見ていなかった…警察の鏡で自分を見ると、そこに映し出されたのはイケメン浪人生ではなくて、41歳のおじさんの顔。
何がどうなってる?
帰宅して両親と兄を問いただすと、衝撃的なことがわかる。
ネタバレは最後に書きますので、嫌な人は見ないでね!
『記憶の夜』ざっくり感想
とにかく、主人公視点で始まるけれど、頭がおかしくなったのではないかと価値観がどんどん混乱するのに視聴者も巻き込まれます。
自分の家族が実は偽物だった。
自分の記憶も信用できない。
何が本当かわからないというのは、わけがわからないし、極度の不安にさいなまれるのだということを、主人公と一緒になって、視聴者も追体験するような映画でした。
さすが韓国映画、展開が早く、先が読めなくてぐいぐい引き込まれます。
Netflixのオリジナル、なかなか見せてくれますわ!!
こんな二転三転する脚本、日本人の脚本家には書けそうにないわ!
ダレずにみられる1時間47分、じっくり見たくなる映画です。
ここからネタバレ
実は、弟と彼らは本当の家族ではなかった。
弟には家族はいなくて、両親と兄と思っていたのは、弟が20年前に殺した女性と子供の遺族と、元刑事らだった。
弟(主人公)が殺人犯だと知っていて、ただその理由を知ってから復讐しようとしていた。
しかし主人公が何かのトラウマで記憶をなくしていたために、薬を飲ませ、催眠をかけ、主人公に家族だと思い込ませて家族ごっこをしながら、殺された家(引っ越し先の家)に住まわせ、記憶を呼び覚まそうとしていた。
自分が殺人犯だとは思えない主人公。
その記憶が、交通事故でよみがえってしまい、すべての理由と真実が明らかになる。
まず、主人公が女性と子供を殺したのは真実。
理由は、死にそうになった自分の兄の手術代のために、ネットの掲示板から依頼された殺人を結構して報酬を得るため。
実の兄の手術代のために、女性を殺すことを承諾したが、結局高校生の娘も殺してしまったのだった。
しかし小さい弟だけが生き残り、その弟が、今回演技で家族ごっこの兄役をしていた男性だった。
ネットで女性を殺すことを依頼したのは、なんと実の兄の主治医。
自分の妻だけを殺そうとしていたのに、主人公が娘まで殺してしまうという失態をし、なおかつ殺人を犯した部屋で家族写真に写っている主治医を見て、主治医が妻を殺すことを匿名で自分に依頼したのだと気づく。
主治医を問い詰めているうちに、あやまって主治医も病院の屋上から転落死。
殺人の主犯が女性の夫、つまり自分の母親を殺せと主人公に命じたのは自分の父親で、主人公は嘱託殺人を引き受けただけだったんだと気づいた生き残りの小さい弟。(主人公を追い込んでいた偽の兄)
自分の父親が真犯人だったのだと気づいて、ショックで投身自殺する。
主人公も、自分で毒を注射して自殺する。
そう、誰も幸せにならない結末なのです。
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